11月に読んだ本

『詭弁論理学　改版』

最近は論破する人とか声の大きな人が持ち上げられる風潮があるけれど、これを読むと彼らがどのようなテクニックで人を上手く言いくるめているかなんとなく分かった。

こいつ変なこと言ってるなぁと思いつつもどこが変か上手く言えないのが少し解消された気がする。

『熊の場所』

舞城王太郎の短編集。

表題作「熊の場所」

自らが恐怖を体験した場所「熊の場所」へ戻り、恐怖と対峙しなければならない、という話。

｢バット男」

社会が成立するために一人の人間が犠牲になるシステムをバット男という存在から幻視する話。

自分から隔絶された存在だったバット男というシステムが自らの近くに忍び寄ってきて

ルグィンの「オメラスから歩み去る人々」を連想した。

「ピコーン！」

元ヤンの女の子がヤンキーの倦怠の中から抜け出そうとする話。故青山景が漫画化していたのでよく覚えている。