8月に読んだ漫画
『スロウスタート』(11)
ギャルゲー配信を見るのが好きな果実ちゃんとたまちゃんのエモそうなエピソードが始まると思いきや特に何もなかったり、つっくんが万年さんに影響されて志望校が変わったり、あんまり物語的な起伏がなさそうで結構色々起きてる巻。
花名ちゃんが高校浪人を明かすような、大きな山場はないけれど、少しずつ登場人物達が成長して、時間が進んでいっているのがよく分かる。
『メイドインアビス』(12)
ハローアビスってそういう意味なんですね、というのが分かる巻。
言葉の意味が分かるが色んな謎が増えて次回へさらに期待が高まる。
『税金で買った本』(8)
『平和の国の島崎へ』(3)
『ダンダダン』(11)
『チェンソーマン』(15)
『月曜日のたわわ』(8)
キャラクターが増えてきて飽きてきた。
これを描いてる作者さんはおそらくかなり賢いので戦略的にキャラクターを増やしてそれでエピソードの幅を増やそうとしているんだろうけど、それぞれのキャラクターの関係性が停滞しているので読んでいても別に楽しくない。
前髪ちゃんと先生の関係がある種のエンディングを迎えたところで2人のエピソードを描くのはやめた方が良かったんじゃないのかなぁって。
四畳半神話体系の「成就した恋ほど語るに値しないものはない」というフレーズが過った。
『鍋に銃弾を受けながら』(1-3)
海外の危険な場所には美味いものがある、というのをモットーに描かれる作者の個人的な体験談をまとめたもの。
二次元の過剰摂取により脳が壊れ、自分含み全人類が美少女に映るという世界の描き方は非常に斬新。
体験談や紹介される料理も馴染みがないものが多いので読んでいてとても楽しかったです。
『竜の学校は山の上』
『引き出しにテラテリウム』
『竜の可愛い七つの子』
九井諒子の短編集。
もともと読んだことがあったけど、改めて漫画が上手いなぁって。エッセイ漫画の技法を取りれたものは構成の妙に唸ってしまった。
『スローループ』(1-8)
釣り好きな母子家庭の女の子が父子家庭の女の子と出会い、親同士が結婚することで姉妹になる話。
計算して描いているわけじゃないだろうけど、関係性の変化というのは作劇上の重要な要素なんだなぁと思い知った。
時間の経過と物語の進展が上手く調和していて、それぞれの友人や親族が登場して関係を深めて行くのは少し泣きそうになるくらい感動的だった。
もともとアニメ一期の出来が良くて気にはしていたが、原作の出来を読む限り二期も充分に期待できる内容だと思う。
7月に読んだ漫画
『黒猫と魔女の教室』(5)
教団と再生の魔法の設定ついて触れられている回。
漫画として徐々に物語の根幹部分に触れてきてはいる印象。
この作者の事だからキャラクターを安易に死なせるようなショッキングな出来事を起こさずにちゃんと面白くしてくれそうだからその辺りの安心感はある。
『呪術廻戦』(23)
なんだか話が進んでいるようないないような。
あんまり理解していない。
『ブルーロック』(25)
イタリア戦。
メタヴィジョンを使う選手が多いことが少しずつ明らかになっていき、試合はハイレベルな読み合いへ。
氷織を掘り下げる前巻のエピソードから今回の引きに続くのは導入としてすごい綺麗で、次巻の氷織の活躍を期待させる。
おそらく潔がカイザーに勝つための最後のピースになるんだろう。
『怪異と乙女と神隠し』(6)
化野くんが限界に近づいているみたい。
そんな中では割と牧歌的な回なのかも。
『よふかしのうた』(17)
修学旅行編の完結編。
キクのマヒルのエピソードは寂しげながら綺麗に完結して、ナズナとコウの恋愛のエピソードへと移行していく予感。
キクとマヒルの結末とナズナとコウの物語の結末は違ったものになって欲しいなって思います。
『ブルーピリオド』(14)
広島編。
画商の話とか死んだら作品が現存のものだけに限定されるとか、あぁそういう視点があるのかぁと思った。
物語としてもコンテストに応募することになったし大きな山場を迎えそう。
『裏バイト 逃亡禁止』(10)
短いエピソードが連続していていて、主人公の2人がエピソードを紹介するための装置みたいになって、作品全体に流れる大きな物語があまり機能しなくなっている印象。
その中でギャグ回があったりわりと楽しいんだけど少々マンネリ化してきた部分がある。
『ささやくように恋を唄う』(8)
この漫画の良いところはネガティブな方向により過ぎず、清涼剤みたいな爽やかさが常にあるところで、今回も言うべきところは言ったりして歯切れが良かった。
恋愛の拗れとはああはなってるけど良い方向に進んで欲しいですね。
『石神戦記』(1)
和風ファンタジー。
物語が始まったばかりでまだ何も分かってない状況なので言及できることはないが、結構好きな部類の漫画だと思う。
『気になってる人が男がじゃなかった』(1)
Twitter(現X)で連載されてる漫画。
百合漫画というよりは洋ロック好きでちょっと浮いてる子とクラスの中心のギャルの心の交流を描いた友情の話とかそういう印象。それを百合と解釈するならそれで良いんだけど。
『新しいきみへ』(1-4)
何度も繰り返してバイオテロを止めて生き延びる少女と、その少女にきっかけを与えた男の物語。
ギミックの目新しさはないが単純に絵とキャラクターが良くて話が面白い。
『冥冥冥色聖域』(1)
夜中にやってるメイドリフレの話。
絵は大暮維人のフォロワーっぽくてめちゃくちゃ上手い。
基本的に自信がなかったり、問題を抱える人がそれを克服する話なので読んでてあんまり後味悪い思いをする事はなさそう。
こういうのが好きな人もいるだろうけれど、個人的にはそこまで好みではない。
7月に観た映画
『TAR/ター』
ある世界的音楽家の物語。
バベルの塔が神の怒りに触れて破壊されるという説話があるが、主人公の高みへ到達し、その傲慢さゆえに失墜する様はそれを見ているようだった。
この映画は素晴らしいストーリーラインがあると言うよりは、ターという人物を描くことに全てが注がれていることで作品のクオリティを高めようとしているように感じられた。
個人的にはあまり好みではない。
『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』
ハリソン・フォードのインディ・ジョーンズ引退作。
マッツ・ミケルセンは悪役でもカッコいい。
事前に読んだレビューでは酷評されていたが、インディジョーンズってこんなもんじゃねえのかなぁって。
『カード・カウンター』
前日あまり寝ていなかったせいかほとんど寝てしまった。だから内容が全く理解出来ていない。
オスカー・アイザックはとてもカッコよかった。
『M3GAN:ミーガン』
『アイの歌声を聴かせて』というAIを扱った傑作映画があるが、その邪悪版という印象。
ミーガンがネットで調べた知識を語る様はChat GPTを初めて使ったときのような印象を受けた。どことなくこういうAIが語る知識は歯の浮いたような印象を受けるが、中国語の部屋という思考実験が示すように本当の意味で知識を理解していないのだろう。
そうした側面から見るとミーガンの行動原理がよく分からない。まるで感情のある人間のようでAIによる脅威というよりは古典的なモンスターのように思えてしまう。
人間からは理解できないAIならではの理屈からくる恐怖を感じたかった。
『ヴァチカンのエクソシスト』
キリスト教圏ではない日本で何故か評判の映画。
ラッセルクロウが原付に乗って走り回る様子は見ていて微笑ましいし、そこまで怖い演出がないのでバトルものの映画として見ていて楽しかった。
悪魔に取り憑かれた少年の演技は素晴らしい。
『ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE』
トム・クルーズのアクションは見ていてヒヤヒヤするし、今後さらに危険なスタントをするそうなので、ちょっと頭おかしいなって思う。
この映画を見ていて高畑勲へのコンプレックスがあったのだろうか、と思ってしまった。
説明されてなさすぎるというレビューがあるが、Wikipediaで適当に宮崎駿の半生を参照すればこの映画が宮崎駿の非常に個人的な作品だということが分かる。
これを作る上で宮崎駿は大衆からの理解や興行的な成功に対してなんの期待もしていなかったのだろうか。
だから世界に対して開かれた作品というより閉じられた小さな世界を描いた作品になったのかもしれない。
『イノセンツ』
北欧の森に包まれた団地に引っ越してきた姉妹とそこで暮らしていた超能力を持つ少年少女の出会いが事件を引き起こすという内容。
森に包まれた団地というロケーションが素晴らしいし、見ていて痛くなるような映像がとても素晴らしかった。
7月に読んだ本
『虐殺器官』
伊藤計劃のデビュー作。
伊藤計劃の描いた未来と現在は少しずつ違ってきてはいるけれど、戦争というヴィジョンに関しては昨今のロシアでの出来事をみるとあまり違わないのかなと思えてくる。
今伊藤計劃が生きていればサブスクであらゆるコンテンツに触れられ、動画サイトで配信者が人を集められる世界からどのような未来を描くのか。そこはかなり興味がある。
『夏への扉』
ハインラインの傑作。
タイムスリップものの傑作だが、根底にあるのはそのギミックより技術者としての誇りとか猫への愛情だとか、そういったものじゃないのかなぁと思った。
『ナイルに死す』
ケネス・ブラナーの映画版と少し話が違うが面白かった。
あんまり推理小説を読むのが得意ではないので、どの筋が解決編へ繋がるか全く分からなかったけどポアロの灰色の脳細胞がそれを解き明かしていくのは読んでて気持ちが良かった。
青春小説として非常に優れた構造をしているライトノベル。
全ての悪の根源であるチェーンソー男と戦い続ける美少女。とその手助けをする中途半端な主人公。
どうやらこれは氷河期的な価値観に基づいたような小説らしい。少女の思い込みで悪のチェーンソー男が出現するというのはセカイ系的な想像力の生み出した産物っぽくて読んでて楽しかった。
6月に読んだ漫画
『魔都精兵のスレイヴ』(13)
総隊長の圧倒的な戦い方なんかは読んでいて楽しいんだけど、一気読みの方が読んでて楽しいかなぁと思えてきた。
『終わるセカイの修学旅行』(2)
どこかで見たようなものが続いている印象がある。
もう少し世界の驚異だったり、終末に対する感覚についてこの漫画なりの視点があると良いのかもしれないが、2巻まで続いた現在そういうものは感じられない。
こちら側の読み方が間違っているのかもしれないので最後まで読みたい。
『ふらいんぐうぃっち』(12)
設定の根幹に触れるような話が起きるのかなぁと思いつつも緩く進んでいくのはふらいんぐうぃっちならではの空気感だと思う。
今回もそんな話で、チベットの橋のくだりの部分は実話ベースなのだとか。
『ダンダダン』(1-10)
宇宙人はいる派と妖怪とか幽霊はいる派が出会って実は両方いましたってところから
『日本三國』(4)
この漫画早くも終わりそうな気がしてきたんですけど、もっと読みたいなぁって思います。
『先生、今月どうですか?』(4)
ピュアなラブストーリーを読むのがしんどくなってきた。
『よふかしのうた』(16)
北海道編の終盤。
キクの物語が語られるので非常に楽しかった。
『私の百合はお仕事です!』(12)
純加さんと果乃子ちゃんの恋人という関係性についての話。
基本的には純加さんの寛容さのおかげで関係が成立してるけど、基本的には危ういよねと思います。
めちゃくちゃ面白いんだけど、まあ読むのに体力いります。
『税金で買った本』(1-7)
『みょーちゃん先生はかく語りき』(1)
巨乳の保健医のみょーちゃん先生が悩める生徒たちの相談に乗る残念美人のコメディ。
そんなハマらなかった。
『#ゾンビ探してます』(2)
衝撃的な結末を迎えた1巻の続き。
片腕を失ったナツキがゾンビにならず、物語は進んでいく。某カラーズの本拠地の上のに行ったり、ゾンビに纏わる設定の幾つかが明かされたことが終盤に繋がっていく。
面白いのだが、物語として綺麗すぎるきらいがある。