緑色の微睡み

睡眠不足です

7月に読んだ本

虐殺器官

伊藤計劃のデビュー作。

伊藤計劃の描いた未来と現在は少しずつ違ってきてはいるけれど、戦争というヴィジョンに関しては昨今のロシアでの出来事をみるとあまり違わないのかなと思えてくる。

伊藤計劃が生きていればサブスクであらゆるコンテンツに触れられ、動画サイトで配信者が人を集められる世界からどのような未来を描くのか。そこはかなり興味がある。

 

夏への扉

ハインラインの傑作。

タイムスリップものの傑作だが、根底にあるのはそのギミックより技術者としての誇りとか猫への愛情だとか、そういったものじゃないのかなぁと思った。

 

『ナイルに死す』

アガサ・クリスティポアロシリーズ。

ケネス・ブラナーの映画版と少し話が違うが面白かった。

あんまり推理小説を読むのが得意ではないので、どの筋が解決編へ繋がるか全く分からなかったけどポアロの灰色の脳細胞がそれを解き明かしていくのは読んでて気持ちが良かった。

 

ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ

青春小説として非常に優れた構造をしているライトノベル

全ての悪の根源であるチェーンソー男と戦い続ける美少女。とその手助けをする中途半端な主人公。

どうやらこれは氷河期的な価値観に基づいたような小説らしい。少女の思い込みで悪のチェーンソー男が出現するというのはセカイ系的な想像力の生み出した産物っぽくて読んでて楽しかった。