10月に読んだ漫画
『模型の街』
panpanyaの短編集。
ノスタルジックな表題の模型の街の連作は読んで楽しかった。
ノスタルジーとささやかな奇想が見事に織り交ぜられた作風は他ではあんまり見ることができない稀有なものだと思う。
1番好きなのは停電中に移動式ベッドに乗って夜中の街を徘徊する『夜ぼらけ』。
『クロシオカレント』(1)
非現実的な存在が日常に溶け込んだ高知県が舞台の物語。晴明道満的なデフォルメされたキャラクターとそれ町と邪神ちゃん的な世界感を混ぜ合わせたような作品。
今のところ作品のノリに上手くハマりきれていない。
『終わるセカイの修学旅行』(1)
火星人の少女と日本の女子高生(?)が廃墟と化した東京を歩き回るストーリー。
基本的に主人公2人以外の登場人物が出てこないので劇的なドラマは展開されない。日常ものの派生ジャンルに位置しているようの思われる。
こうした作品は嫌いではないが、先行作品であるヨコハマ買い出し紀行や少女終末旅行のようなテーマ性が現段階ではあまり感じられないのでその辺りが解消されると化けるかも。
『チェーンソーマン』(12)
藤本タツキの作品はファイアパンチ以外全部読んでいるが、読んでる人の価値観に切り込むような設定をポップな領域に落とし込んでるのが上手いなと思う。それがウケてる主要な要素なのかな?
『ルリドラゴン』(1)
朝起きたら女子高生にツノが生えてました。まあええか。みたいなノリで始まる日常系(?)漫画。
『まちカドまぞく』を連想させるような導入ではあるけれど、どちらかと言えばコメディではなくリアルなタッチの心理描写が行われている。
主人公にツノが生えたことで生まれた変化に対してそれぞれ差異があって当然という方向の考えが示されたのは『亜人ちゃんは語りたい』に近い感覚を抱いた。
ツノが生え、周囲の人間との関係性が見直されたことで生まれる物語に今後期待したい。
『闇の少年』(上・下)
原作は『MASTER キートン』で脚本を担当した長崎久志。作画は『ピアノの森』の一色まこと。
このビッグネーム2人の名前に惹かれて買ったが、思ったほど面白くはなかった。
礼音の母のサイコっぷりもそこまで狂気を感じるわけでもなかった。それが判明するまでもっと丁寧に描けたと思うし、結局なんなのか語られることのなかったキャラクターもいて全体的に雑な印象を受けた。
自分の読解力不足と言われればそれを否定することはできないが、出来ればもう少し物語を読み解くキーが欲しかった。
『ブルーロック』(21)
現在アニメ放送中のサッカー(?)漫画。
潔のメタビジョンの覚醒は新たな局面を生み出すことになるだろうけれど、そこからいかに進化を描くか。そこに読者を納得できるようなものを持ってこれば、潔が作中最強キャラクターと化していっても文句は出ないだろう。
次巻も楽しみ。
『JUMBO MAX』(1-6)
違法ED治療薬を製造し販売する和製ブレイキング・バッド。
主人公は「自分の薬で人を幸せにしたい」と願うがそれに巻き込まれる形で多くの人間が死んだり、仄暗い側面へ引き込まれていく。善意と善意が手を取り合って花開かせていくように思える展開もあるが、果たしてそれが明るい未来へと繋がるのだろうか。
次巻も楽しみ。
『寄宿学校のジュリエット』(1-7)
ロミオとジュリエットを下敷きに描かれる、こことは違う世界での寄宿学校を舞台にしたラブコメ。
下敷きにされているロミオとジュリエットの通り二つの対立する勢力が存在し、その勢力の象徴たる2人が恋に落ちる。
ロミオとジュリエットではそれにより悲劇的な結末を迎えるが、この漫画の2人はまるでその結末を回避するのが運命付けられているかのように、自分たちの関係性を隠し通すことで二つの勢力の均衡を保ちつつ、愛を育む。
ベッタベタなラブコメだけれど、かなり良くできている。ライトノベルみたいな設定だけど、単純に漫画として面白かった。
『私に天使が舞い降りた!』(12)
プール回。この漫画はみやこの周辺の人々に対して普通の人が「こいつらは変」って思うのがギャグとして面白いなって思いました。
劇場アニメも公開中なので見に行かなければ。