12月に見た映画
『ブラック・アダム』
MCUに少しだけ倦怠感が漂ってる中、割とスカッとしたストーリーで好感が持てた。
そもそもあんまり期待していなかったのもあるけれど、わりとストーリーも凝ってて楽しめた。
ホークマン、ドクターフェイト、サイクロン、アトムスマッシャーなどの脇を固めるヒーローチームも良い。特にドクターフェイト。ピアース・ブロスナンがかっこ良すぎた。さすが元007。
あの人も復帰したしジャスティスリーグ2作ってくれよ。
『ザ・メニュー』
一流のシェフが孤島に構える料理店を訪れた客達に驚異のメニューが提供される映画。
洗練された完璧なメニューには不協和音が鳴り響いていて、それによって「次に何が起きるか分からない」という緊張感をもたらしている。
中盤から終盤の怒涛の展開は見ていてハラハラしたし、映画として非常にクオリティが高いように思えた。変な映画ではあるが。
映画を見終わって思ったのだが、登場人物たちは様式に魅了され、様式によって殺されたのではないのだろうか。
唯一生き残ったマーゴだけは様式を求めておらず、単なる食事を求めた。シェフはその欲求に応え、彼女に素晴らしい食事を提供した。
それがこの映画の結末なのではないのだろうか。
ラーメン発見伝で芹沢というハゲが「情報を食う」という表現でラーメンオタクを揶揄していたが、自分も「マクドとか吉牛も美味い」という気持ちを忘れず高い飯を食いにいけるようになりたいと思う。今は焼肉が食いたい。
『グリーンナイト』
サー・ガウェインの自己探究の物語。
クリスマスの夜に現れた緑の騎士と「遊び」を行う。
遊びとは、緑の騎士と対峙し一太刀入れた者に緑の騎士の戦斧が与えられる。一年後のクリスマスに緑の礼拝所で緑の騎士と対峙し、一太刀入れた場所と同じ場所に一太刀入れられるというもの。
主人公サー・ガウェインは緑の騎士の挑発に乗り、首を切り落としてしまう。それにより一年後、緑の礼拝所で緑の騎士に首を切り落とされることになる。
自らの生首を持ち、笑いながら去っていった緑の騎士。それを見送った後ガウェインは放蕩の日々を過ごした後、終着に死が待つ旅に出る。
この映画は前述のあらすじを頭に入れておいた方が理解しやすいように思えた。
物語はわりと淡々としているが、後半はそれなりに楽しめた。
『チーム・ジンバブエのソムリエたち』
ジンバブエから離れた人々が南アフリカでワインを通じて知り合い、ワインテイスティングの世界大会へ出場する様子を描いたドキュメンタリー。
ドキュメンタリーなのでドラマ性にかけるは、あまりにも出来すぎているとフィクションなのでは?と疑ってしまう。切り口としては面白いがフランスに行ってからのコーチとのグダグダを見るとやっぱ現実は上手くいかないんだなって。
そこら辺がドキュメンタリーなんだろうけど、締め方が上手くいっていないように思われた。まあフィクションじゃないから仕方ないんだけど。
『アバター ウェイ・オブ・ウォーター』
世界的にヒットした前作から時代が変わり、パンドラでの時間も経過したところから物語は始まる。
ジェイクとネイティリの夫婦に3人の息子が生まれ、グレースから生まれた父親の正体が分からないキリのサリー家を中心に物語は展開される。
基本的にこの物語は衝突と融和の物語なんだと思う。前作においてもジェイクが衝突し、ナヴィに受け入れられるという過程を描いているが、今作も海の民に受け入れられる過程を描いている。
トルークマクトであるジェイクが放浪する様子は貴種漂流譚を連想させたが、実際今後の物語のキーを握るのはキリストを連想させる生い立ちのキリなのではないだろうか。
最初にも書いたが、アバターの底流とも言えるテーマが衝突と融和なら、次回作でニンゲンがパンドラにさらに入植し、衝突し、融和する様子が描かれるのだろう。